トップ研究活動について > 研究トピックス

研究トピックス

DnaJ/Hsp40コシャペロンファミリー分子とパーキンソン病

2018/01/18

 

DnaJ/Hsp40 family and Parkinson’s disease.

Hasegawa T*, Yoshida S, Sugeno N, Kobayashi J, Aoki M. (*corresponding author) Front Neurosci 2018; 11: 743. https://doi.org/10.3389/fnins.2017.00743

【研究内容】
 先に私共の研究室からHum Mol Genet誌に発表したDNAJC13分子のほかにも、複数のDnaJ/Hsp40ファミリー分子(DNAJC6, DNAJC12, DNAJC5, DNAJC10)が家族性パーキンソン病(PD)/パーキンソニズムの原因となることが知られています(図1と表1)。DnaJタンパクは分子内にJドメインとよばれるHsp70結合ドメインを有するコシャペロンの一種で、タンパク質のフォールディング(折りたたみ)やオートファジー分解、細胞内小胞輸送、シナプス機能など様々な細胞内機能の制御に関与しています。DNAJC6(PARK19)、DNAJC13(PARK21)の2つはPARK classificationに含まれています。また、DNAJC12遺伝子異常は一部のフェニルケトン尿症の原因としても知られていますが、レビー病理を伴わない中脳黒質変性を生じ、若年性のドパ反応性パーキンソニズムの表現型を呈する場合があります。低フェニルアラニン食で病状進行を抑えられるので、若年性パーキンソニズムの鑑別として重要です。最近の知見をまとめたレビューをFrontiers in Neuroscience誌に寄稿しました。

(長谷川 隆文)

 

 
図1. 家族性PD・パーキンソニズム発症に関連するDnaJ/Hsp40分子の機能ドメイン図 (図1. 家族性PD・パーキンソニズム発症に関連するDnaJ/Hsp40分子の機能ドメイン図.png)
 
表1. DnaJ/Hsp40遺伝子異常による家族性PD/パーキンソニズムの特徴 (表1. DnaJ/Hsp40遺伝子異常による家族性PD/パーキンソニズムの特徴.png)

 

←新しい記事へ ↑一覧へ 以前の記事へ→
東北大学 神経内科
〒980-8574 仙台市青葉区星陵町1−1 TEL 022-717-7000(病院代表)