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研究トピックス

肉芽腫性筋炎との鑑別が困難だった節外性NK/T細胞リンパ腫の一例

2018/08/24

 

Extranodal NK/T-cell Lymphoma Mimicking Granulomatous Myositis

Kawaguchi N, Izumi R, Kobayashi M, Tateyama M, Suzuki N, Fujishima F, Fujimori J, Aoki M, Nakashima I.
Intern Med. 2018 Aug 24.
doi:10.2169/internalmedicine.0859-18.

症例は54歳男性。半年の経過で亜急性に進行する嚥下障害,四肢の筋力低下を主訴に来院。複視,構音・嚥下障害,四肢近位筋優位の筋力低下,筋の把握痛を認めた.血液・画像検査では原因は特定されなかった。頬部皮膚生検では非特異的な炎症所見,筋生検では筋束中央部の筋内鞘を中心とした肉芽腫様の単核球の集塊を認めた。プレドニン内服を開始し著明な改善が得られたが,プレドニン漸減中に四肢の筋力低下が再燃し,発熱,肝機能障害,sIL-2R上昇,肝脾腫,大腿部の皮疹などを認めた。皮膚生検の結果,節外性NK/T細胞リンパ腫と最終診断された。本症例は,筋生検では著明な単核球浸潤やHLA-class1の発現亢進が見られ,非典型的パターンではあるが筋炎が否定できなかった。全身性の筋力低下が見られたとしても,筋炎として非典型的な症状や病理像が得られた場合には,幅広い鑑別疾患を念頭に置き対応する必要がある。

 

 

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