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研究トピックス

ALSのマウスモデルにおける治療標的の遺伝子学的検証

2014/11/17

 

ALSのマウスモデルにおける治療標的の遺伝子学的検証

Genetic validation of a therapeutic target in a mouse model of ALS

A. Sophie de Boer, Kathryn Koszka, Evangelos Kiskinis, Naoki Suzuki, Brandi N. Davis-Dusenbery, Kevin Eggan

Sci. Transl. Med. Vol. 6, Issue 248, p. 248ra104

 

ヒト幹細胞から分化させたニューロンがALSなど神経疾患の新規治療標的の探索に用いられ始めている。我々は以前、G93A変異SOD1遺伝子過剰発現ALSモデルマウス由来のグリア細胞がヒト幹細胞由来運動ニューロンに対し毒性を持つことを示した。今回は薬理学的および遺伝学的アプローチを用いて、この毒性がプロスタノイド受容体のDP1を介して発揮されることを示した。さらにDP1ノックアウトマウスとALSモデルマウスとを掛け合わせると生存期間の延長、マイクログリア活性化の軽減、残存運動ニューロン数の増加がみられた。

今回の報告によりDP1受容体阻害がALSの治療標的として有望であることが示された。またヒト幹細胞由来運動ニューロンで見出された治療標的の有用性が前臨床治験で用いられるマウス遺伝学的モデルでも再確認できたことは、薬剤スクリーニングにおけるヒト幹細胞由来ニューロンの有用性を示せたという点でも意義深い。

 

 

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