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研究トピックス

【抄読会だより】 2017年11月1日

2017/11/01

 

いよいよ11月に入り今年もあと2ヶ月です。抄読会では、以下の論文が紹介され活発な議論がおこなわれました。

Natalizumab-PML survivors with subsequent MS treatment - Clinico-radiologic outcome. Maillart E, et al. Neurol Neuroimmunol Neuroinflamm 2017; (4)3: 346. [PubMed]

【Points】 再発寛解型MS(多発性硬化症)疾患修飾薬 Natalizumabは投与後 PML(進行性多巣性白質脳症)を高率に発症する。近年、発症後も生存する症例が増えているがPML改善後のMS再発予防治療に関するまとまった報告はない。
今回フランス・ベルギー11施設のNatalizumab-PML 23例を解析した。PMLはNatalizumab導入後平均3.86年で発症し、その間60.9%の患者さんは全く再発なく経過していた。PML発症後 Fingolimod, DMF(フマル酸ジメチル)では再発が全くないが、IFN(インターフェロン)-β1a/bやグラチラマー酢酸では数例で臨床上再発があった。どの疾患修飾薬でもPML再燃は無かった。Natalizumabを使用する患者は元々疾患活動性が高く、1st line therapyではPML後の治療が不十分である可能性が示唆された。

(担当:西山 修平)

 

 

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