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研究トピックス

電解質バランスの偏りがNMOの再発を誘発する

2018/03/18

 

電解質バランスの偏りがNMOの再発を誘発する

Chloride imbalance is involved in the pathogenesis of optic neuritis in neuromyelitis optica
Tetsuya Akaishi, Toshiyuki Takahashi, Noriko Himori, Takayuki Takeshita, Toru Nakazawa, Masashi Aoki, Ichiro Nakashima
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0165572818300614

NMOは抗AQP4抗体と関連して視神経炎や脊髄炎を繰り返す自己免疫性の疾患ですが、再発のタイミングや重症度を規定する要因が何かはまだ知られていません。私たちは以前、NMOの再発時に血清・髄液間の電解質バランスの偏りが大きいことを報告しましたが、重症度との関連性は調べられていませんでした。
今回私たちは、視神経炎急性期に血清・髄液ペア検体が採取されていた11名のNMO症例(のべ12回の視神経炎)において、急性期の電解質バランスと視神経炎の重症度の相関を調べました。その結果、電解質バランスの偏りは視神経炎の長さ(R=0.67; p<0.05)とも視力予後(R=0.58; p<0.05)とも強く関係していました。
NMOにおける視神経炎の機序として、抗AQP4抗体の存在と電解質バランス変動の双方が重要であることが示唆されました。抗AQP4抗体の存在が中枢神経系における電解質や水分子の動態にどう影響しているのか、今後の検証が待たれます。(文責:赤石 哲也)

 

 

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