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研究トピックス

日本における封入体筋炎の臨床調査研究

2019/06/26

 

The updated retrospective questionnaire study of sporadic inclusion body myositis in Japan

Suzuki N, Mori-Yoshimura M, Yamashita S, Nakano S, Murata KY, Mori M, Inamori Y, Matsui N, Kimura E, Kusaka H, Kondo T, Ito H, Higuchi I, Hashiguchi A, Nodera H, Kaji R, Tateyama M, Izumi R, Ono H, Kato M, Warita H, Takahashi T, Nishino I, Aoki M.
Orphanet J Rare Dis. 2019 Jun 26;14(1):155. doi: 10.1186/s13023-019-1122-5.

【研究内容】
封入体筋炎は中高年で最も頻度の高い筋疾患であり、その病態は不明なままです。2015年から日本では指定難病の一つとされています。本研究では日本での患者数の推移を追うとともに横断的なプロファイリングを行いました。脳神経内科専門医への往復はがきアンケートにより2011年までの5年間に286名、2016年までの5年間に384名の方が新規に診断されたことがわかりました。さらに質問紙による106名の封入体筋炎の患者さんからの回答を集計し、起立不能、杖歩行、ペットボトル開栓不能、食事での咽せ、車椅子移動が封入体筋炎における重要なマイルストンであることを明らかにしました。8名がHCV抗体陽性であり、うち3名が封入体筋炎発症前にインターフェロン治療を受けていました。ステロイド治療は31.1%で、免疫グロブリン大量療法は43.4%の患者さんで施行されていました。106名中70名が指定難病認定をうけていました。封入体筋炎の患者数は疾患認知度の高まりともあいまって増加していると考えられ、今後も継続的な臨床調査が必要と考えています。

本研究は厚生労働省・希少難治性筋疾患班の協力で行われました。

 

 

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