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研究トピックス

抗アクアポリン4抗体の濃度を経時的にフォローする有用性の検討

2020/01/10

 

Repeated follow-up of AQP4-IgG titer by cell-based assay in neuromyelitis optica spectrum disorders (NMOSD)
Tetsuya Akaishi, Toshiyuki Takahashi, Ichiro Nakashima, Michiaki Abe, Tadashi Ishii, Masashi Aoki, Kazuo Fujihara.
Journal of the Neurological Sciences 410 (2020) 116671

【背景】視神経脊髄炎(NMO)では、血清中の抗アクアポリン4抗体の存在を証明することが正しい診断と治療法選択のために必要ですが、その濃度を経時的にフォローすることの有用性はまだ結論が出ていません。 【方法】今回私たちは当院で抗体価を経時的に測定された45名の患者さんのデータをもとに、抗体価の変化が再発頻度や神経障害度に及ぼす影響を検証しました。 【結果】再発急性期において抗体価は明らかな上昇を示していませんでした。また発症時の抗体価は、その後10年間の再発回数に影響していませんでした。抗体価が上昇を示した症例の一部ではその後しばらくして再発頻度がわずかに増えましたが、大半の症例では再発頻度に変化を認めませんでした。 【結論】抗アクアポリン4抗体を発症時に確認することは必要ですが、抗体価の高さやその後の変化をフォローする臨床的な意義は限定的であることが示唆されました。

赤石 哲也

 

 

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