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研究トピックス

反復性横紋筋融解症、急性腎不全を呈した高齢発症のMADDの1例

2011/11/01

 

Rumiko Izumi, Naoki Suzuki, Mari Nagata, Takafumi Hasegawa, Yu Abe, Yuka Saito, Hiroshi Mochizuki, Maki Tateyama, Masashi Aoki

Internal Medicine Vol. 50 (2011) No. 21 pp.2663-2668

MADD(multiple acyl-CoA dehydrogenase deficiency)は電子伝達系における電子伝達フラビン蛋白(ETF)欠損もしくはETF-ユビキノン酸化還元酵素(ETF-QO)の欠損により発症する常染色体劣性遺伝形式をとる疾患である。
我々は反復性横紋筋融解症、急性腎不全を機に診断にいたった高齢発症のMADDの1例を経験した。筋生検で脂肪沈着が認められ、更に血中のカルニチン高濃度や尿の有機酸の分析のデータからMADDが疑われた。既知の原因遺伝子ETFDHに新規報告変異を含むcompound heterozygous mutationが確認され診断確定に至った。MADDは反復性横紋筋融解症を起こすとされているが実際の報告は少ない。遅発例では軽度の筋力低下にとどまることも多いが、治療としてリボフラビンが有効であるため、周期性嘔吐・低血糖・反復性横紋筋融解といったエピソードから積極的に疑うべき疾患である。

 

 
Figure 1. Pathological Findings (Fig1.jpg)

 

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