トップ研究活動について > 研究トピックス

研究トピックス

Poloxamer188の持続投与によるジスフェルリノパチーモデルマウスの表現型の改善

2011/11/01

 

Continuous administration of poloxamer 188 reduces overload-induced muscular atrophy in dysferlin-deficient SJL mice

Naoki Suzuki, Tetsuya Akiyama, Toshiaki Takahashi, Hazuki Komuro, Hitoshi Warita, Maki Tateyama, Yasuto Itoyama, Masashi Aoki

Neurosci Res (in press)

Dysferlinの遺伝子異常を伴う筋疾患はdysferlinopathyと呼ばれ、筋ジストロフィーの中でも重要な一群である。dysferlin遺伝子異常を持つSJLマウスを用いた病態研究が行われてきている。またdysferlinの機能として筋細胞膜の修復に関わるということが近年明らかになっている。今回我々はSJLマウスに対して浸透圧ポンプを用いて、膜修復機能を持つとされる界面活性剤の一種のpoloxamer188を連続投与した。2週間では変化が見られなかったが、6週間の長期投与によってpoloxamer188投与群では筋重量や運動持続力の改善を認めた。リン酸化p38が減少し、E3ユビキチンリガーゼであるatrogin-1の発現上昇の抑制を認めた。Poloxamer188の長期投与によるSJLマウスの表現型改善を見出すことができ、年余の経過で進行性に増悪するdysferlinopathyの治療法開発に寄与するものと考えている。

図:A. poloxamer188投与群では筋重量の減少が抑えられる。
B. 回転ケージの持久力が増加。
C. p38のリン酸化が抑制される
D. atrogin-1の発現増加も抑えられる。

 

 

←新しい記事へ ↑一覧へ 以前の記事へ→
東北大学 神経内科
〒980-8574 仙台市青葉区星陵町1−1 TEL 022-717-7000(病院代表)