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研究トピックス

重症筋無力症のサブタイプごとの治療反応性に関する研究

2016/11/26

 

Response to treatment of myasthenia gravis according to clinical subtype
Tetsuya Akaishi, Yasushi Suzuki, Tomihiro Imai, Emiko Tsuda, Naoya Minami, Yuriko Nagane, Akiyuki Uzawa, Naoki Kawaguchi, Masayuki Masuda, Shingo Konno, Hidekazu Suzuki, Hiroyuki Murai, Masashi Aoki, Kimiaki Utsugisawa
BMC Neurology (2016)16:225 DOI 10.1186/s 12883-016-0756-3

以前我々は,国内の重症筋無力症(MG)の多施設共同研究会であるJapan MG registry (http://mg.kenkyuukai.jp/) の2012年調査で登録された臨床データの解析から,重症筋無力症を,@ 眼筋型(Ocular MG),A 胸腺過形成を伴うMG(MG with thymic hyperplasia),B 抗アセチルコリン抗体を伴わないMG(sero-negative MS),C 胸腺腫を伴うMG(thymoma-associated MG),D その他(sero-positive MG without thymic abnormalities)の5病型に分ける分類法を提唱した.今回,調査対象および調査項目をさらに増やした2015年度調査の新たなデータベースを用い,本分類法の再現性と各病型の治療反応性について検討し,治療反応性の観点から本分類が臨床上有用であるか検証した. 923名のMG患者の臨床情報,検査データ,治療内容,治療反応性などのパラメータを用いクラスター解析により分類した.治療反応性の指標は,MGFA-PISで「minimal manifestationまたは寛解」の1ヶ月間以上の維持(MM-or-better≧1M)とした.治療開始からMM-or-better≧1M達成までの時間を,Kaplan-Meier曲線により5病型間で比較した.
今回のデータベース解析においても5病型分類が再現された.MM-or-better≧1Mの達成速度を比較したKaplan-Meier曲線(図1)では,5病型ごとに達成率および達成速度が有意に異なり,その差は従来の分類法によるものより明解であり,治療反応性の観点からも有用な分類法であることが示された.(文責:赤石 哲也)

 

 
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