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研究トピックス

次世代シークエンサーをもちいた遺伝性封入体ミオパチーの2家系におけるhnRNPA1遺伝子変異の同定

2015/10/11

 

Isolated inclusion body myopathy caused by a multisystem proteinopathy-linked hnRNPA1 mutation. Izumi R, Warita H, Niihori T, Takahashi T, Tateyama M, Suzuki N, Nishiyama A, Shirota M, Funayama R, Nakayama K, Mitsuhashi S, Nishino I, Aoki Y, Aoki M. Neurology Genetics; October 2015 vol. 1 no. 3 e23 【概要】遺伝性封入体ミオパチーの現在まで10種類以上の原因遺伝子が発見されていますが、まだ原因が明らかとなっていない群も多く、依然詳細な病態は明らかとなっていません。本研究では、遺伝医療学分野との共同研究で、次世代シークエンサーを用いたエクソーム解析を行い、遺伝性封入体ミオパチーの2家系において、hnRNPA1遺伝子に原因変異を同定しました。hnRNPA1遺伝子は核内RNA結合タンパク質をコードする遺伝子で、多系統タンパク質症3型の原因遺伝子として報告されています。更に、骨格筋組織の免疫組織化学および電子顕微鏡による検討では、この変異が、RNA結合タンパク質の分布異常や核の機能障害と広く関連することが示唆されました。 今回の結果は、他の遺伝性封入体ミオパチーや類似の筋疾患においても、hnRNPA1遺伝子もしくは類似したRNA結合タンパク質の遺伝子が関連している可能性を示唆するもので、封入体ミオパチーの全体像および病態解明の端緒となることが期待されます。 なお、本論文掲載のFigureがCover Photoとして選ばれました。http://ng.neurology.org/content/1/3.cover-expansion (文責:井泉瑠美子)

 

 

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